2014年3月14日金曜日

熊本ゼミ旅行【3日目】

 3月7日(金)

 ゼミ旅行最終日!

 ホテルを出発してまず向かったのは山鹿市立博物館。
 先日に引き続き、考古学研究室のOBである山鹿市出土文化財センターの宮崎歩さんに館内を案内、解説していただきました。
説明を聞くゼミ生と研究室員
  館内には先日訪れた方保田東原遺跡から出土した資料が展示されていました。日本で初めて出土した石包丁形鉄器や、七つの脚をもつ巴形銅器など、全国でも例の少ない貴重な資料を見ることができました。
 
チブサン古墳
 


オブサン古墳



チブサン古墳石室(レプリカ)。本物もほぼ同じ色彩のままです!
  次に向かったのは、チブサン古墳です。石室には前室と後室があり、側壁は凝灰岩の切石をドーム状に積み上げ、天井は大きな石1枚で塞ぎます。このような形の石室を肥後型石室といい、熊本県を中心に作られました。
 後室には石屋形があり、その奥壁に描かれている横に二つ並んだ円文の装飾が女性の乳房に見えることから名称が由来されているそうです。
 宮崎さんに扉を開けていただき、石室内を見学することができました。石室内は厳重な扉で保護され、石屋形のある後室は観察窓が設置されていました。きちんとした保存整備がなされており、想像以上に装飾がはっきりと見れました。
   

 続いて向かったのはオブサン古墳です。
 チブサン古墳の約200m北西方向に位置しています。南に開口した入口前の両側には突きだした部分(突堤)がついています。この突堤は九州内に例をみない珍しいものです。石室の一番奥に石屋形があったようですが、破壊されてしまったため、現在は復元されています。
 
 
 ここで宮崎さんとお別れし、次にマイクロバスで向かったのは、熊本県立装飾資料館です。
 職員の池田さんに解説をしていただきました。

池田さんの説明を聞くゼミ生、室員


千金甲1号墳 レプリカ



 館内には井寺古墳や千金甲1号墳など、県内の装飾古墳のレプリカが設置されていました。細部にわたって忠実に再現されており、もうただただ感動しました。なかでも、2日目に訪れた井寺古墳の古墳のレプリカは実物よりも格段に見やすく、ここまで再現できるのかと驚きました。本当はもっとゆっくり見学していたかったのですが、時間に限りがあるので次の江田船山古墳公園へと向かいます。



 公園内にある和水町歴史民俗資料館には、江田船山古墳から出土した遺物、およびそのレプリカが展示されていました。有名な銀象嵌銘大刀の本物は東京国立博物館で展示されています。
 館内と古墳の案内、解説は和水町職員の益永さんにお世話になりました。


江田船山古墳石室

 岩原古墳群は前方後円墳3基、円墳2基で構成されています。
まずこの古墳群の主墳である江田船山古墳を見学しました。
全長78m、3段築成の前方後円墳です。
江田船山古墳から出土した遺物は一括して国宝に指定されています。
石室内を見学することができました。中にはどんと横口式家形石棺が発見当時のまま保存してありました。



塚坊主古墳 石室内


 塚坊主古墳は全長47.8mの前方後円墳で、石屋形の内壁に赤・白・灰色で三角文や円文を描く装飾古墳です。
こちらも石室内を見学しました。
石屋形の蓋石は一部が残存するのみで、ほぼなくなっていました。
羨道から前室にかけていろいろな方向から見学でき、石室構造をよく理解できました。






  そして、最後の見学地であるこころピア(玉名市立歴史博物館)を訪れました。
特別展覧会 「古墳は語る」 の開催期間中で、 玉名市指定史跡になっている伝佐山古墳出土品の一部や大坊古墳、馬出古墳などの出土品が展示されていました。
伝佐山古墳からは甲冑や刀剣類、金製垂飾付耳飾など豊富な副葬品が出土しています。
各自興味のある遺物に見入っていました。

 私は今回初めて九州の地を訪れ、近畿地方では見られない埋葬施設や、図録・報告書等でしか見たことのない装飾古墳をこの3日間で実際にがっつり見学することができ、大変勉強になりました。
また、各見学場所で案内、説明をしてくださった職員の方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
熊本県で吸収してきたことを今後の勉強に活かしていきたいです!!

 あいぼん

 
 

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